モバイルルーターとは
モバイルルーターとは、移動性が高く、携帯できるルーターを指します。ルーターはネットワーク接続を実現するための機器であり、ネット回線を複数の端末で利用するうえでは欠かせない機器です。
一般的なルーターはコンセントの位置などの影響があるため、モバイルルーターのように動かすことが難しいといえます。その点、モバイルルーターであれば、持ち運び可能な小さいサイズのルーターのため、場所を問わず利用できます。自宅だけでなく、外出先のカフェやサテライトオフィスなどでも利用できるため便利なルーターです。また、接続できる端末もスマホ・ノートパソコンなどさまざまです。
モバイルルーターは「モバイルWiFi」や「ポケット型WiFi」とも呼ばれます。従来はポケットサイズのモバイルルーターのみでしたが、近年では自宅に設置するタイプのモバイルルーターが「ホームルーター」として登場しました。
ホームルーターは自宅のコンセントに接続するだけでネット環境を構築でき、引越しなどの際も持ち運ぶだけで簡単にネット環境を移せます。持ち運べるという点で、ホームルーターもモバイルルーターの一種といえます。
モバイルルーターの仕組み
モバイルルーターの仕組みは、スマホとほとんど同じです。スマホは3Gや4G(LTE)、などの移動通信システムを利用して、基地局を経由しネットに接続しています。モバイルルーターも同様に移動通信システムを利用しています。そのため、モバイルルーターの使用条件は近くに基地局が存在することです。
ただし、直接ネットに接続してWeb閲覧や動画視聴などが行えるスマホと違い、モバイルルーターは、あくまでスマホやノートパソコンなどの機器をネットに接続するための仲介役です。モバイルルーターが移動通信システムを利用して基地局に接続し、スマホなどとWiFi接続をすることでネットワークを構成します。

この時に利用するWiFiの規格は、モバイルルーター機器によって異なります。WiFiの規格ごとに通信速度や利用する周波数帯域は異なるため、WiFiの規格を事前に確認することが大切です。
モバイルルーターを利用したネット回線の通信速度は、利用する移動通信システムに依存します。近年登場した超高速で大容量データ通信を可能とする5Gを利用すれば、光回線のような高速通信も実現可能です。速度を最大限に活かすためには、WiFiの接続規格が重要になります。
例えば、5Gを使って数Gbpsの回線速度があっても、WiFiの規格で50Mbpsが上限の環境では通信速度は50Mbpsになってしまいます。モバイルルーターは回線とルーターが一体となったサービスであるため、基本的には回線速度とWiFi規格の上限速度が大きく乖離していることは少ないと考えられます。しかし、仕組みとしては理解しておくことをおススメします。
また、モバイルルーターの通信速度や安定性は、契約するサービスによって異なる移動通信システムやキャリアの回線種別に大きく依存します。